2010年1月1日金曜日

壬生義士伝(上・下)

浅田次郎 著



内容(「BOOK」データベースより)


小雪舞う一月の夜更け、大坂・南部藩蔵屋敷に、満身創痍の侍がたどり着いた。貧しさから南部藩を脱藩し、壬生浪と呼ばれた新選組に入隊した吉村貫一郎であった。“人斬り貫一”と恐れられ、妻子への仕送りのため守銭奴と蔑まれても、飢えた者には握り飯を施す男。元新選組隊士や教え子が語る非業の隊士の生涯。浅田文学の金字塔。



感想

私は久しぶりに泣きながら本を読んだ。
浅田次郎の巧い話の構成にわかっていながらも泣いた。
きっと東北南部藩にゆかりのある方はもっと心に響いたのではと思います。
南部藩の足軽の侍が何故新撰組に入り、どうやって死んだか・・・。
何人かの語りで話は続けられていく、実に巧い語り口で楽しめた本です。





プリズンホテル(夏・秋・冬・春)

浅田次郎 著



内容(「BOOK」データベースより)

極道小説で売れっ子になった作家・木戸孝之介は驚いた。たった一人の身内で、ヤクザの大親分でもある叔父の仲蔵が温泉リゾートホテルのオーナーになったというのだ。招待されたそのホテルはなんと任侠団体専用。人はそれを「プリズンホテル」と呼ぶ―。熱血ホテルマン、天才シェフ、心中志願の一家…不思議な宿につどう奇妙な人々がくりひろげる、笑いと涙のスペシャル・ツアーへようこそ。



感想

天切り松 闇がたり」「きんぴか」こういう極道シリーズと、「蒼穹の昴」「鉄道員(ぽっぽや)」「見知らぬ妻へ」などの作品とのギャップが実に愉快。
本を読みながら一人でくすくす笑うという絵図は他人から見るとへんなやつ!とみえるかもしれないが、この作家のは声を出して笑ってしまう。
どちらのタイプの本も好きな作家の一人で、田辺聖子の姥シリーズなどと同じ、語り口がぽんぽんと軽快。





奪取

新保祐一 著



内容(「BOOK」データベースより)

一千二百六十万円。友人の雅人がヤクザの街金にはめられて作った借金を返すため、大胆な偽札造りを二人で実行しようとする道郎・22歳。パソコンや機械に詳しい彼ならではのアイデアで、大金入手まであと一歩と迫ったが…。日本推理作家協会賞と山本周五郎賞をW受賞した、涙と笑いの傑作長編サスペンス。



感想

この作家の「ホワイトアウト」を読んでこれは楽しいと、次々読んでみましたが、今ひとつで中ではこの「奪取」が偽札を作っていく過程など実に細かく興味深く楽しめました。



絹の変容

篠田節子 著



内容(「BOOK」データベースより)

レーザーディスクのように輝く絹織物―。偶然、不思議な糸を吐く野蚕を発見した長谷康貴は、その魅力に憑かれ、バイオ・テクノロジー技術者・有田芳乃の協力で、蚕を繁殖させようとする。事業は成功したように見えたが、意外なパニックがまき起こる…。ミステリータッチの本格SF。第3回小説すばる新人賞受賞作品。



感想

思い出してもこわくて気持ち悪いんですが、この方はこういう作品の方が面白い。
あと「神鳥」などもホラー作品ですね。




親鸞とその時代

平雅行 著



内容(「BOOK」データベースより)

苦悩する女性・民衆はいかにして親鸞に救われたか?日本中世史の第一人者が究めた全く新しい待望の親鸞論。



感想

宗教は苦手な私ですが、この作者の親鸞やこの時代の宗教の捉え方が実にわかりやすく、面白い。
苦悩する女性・民衆はいかにして親鸞に救われたか?とありますが、歴史的背景などと良い勉強になりました。




悲しくて明るい場所

曽野綾子 著



内容(「BOOK」データベースより)

常にベストではなく、ベターに生きる考え方―。だから人生はおもしろい、という視点から語る心のエッセイ24章。



感想

私はこの本を読んでとても気が楽になりました。
今落ち込んでる方是非読んでみてください。
五木寛之の「生きるヒント」などと同じく心の持ちようを示唆しています。




かくて歴史は始まる ー 逆説の国・日本の文明が地球を包む

渡辺昇一 著



感想

もしこの本が中学か高校で教科書のサブ本だったら、授業も楽しかっただろうと思いながら読みました。




旅人

湯川秀樹 著



内容(「MARC」データベースより)

「素粒子の相互作用について」という論文で世界から注目を浴び、「核力に関する中間子理論」によってノーベル賞を受賞した湯川秀樹。生まれてから27歳になるまでの日々を振り返る自伝。「旅人」の改題。



感想

作者の自伝ですが、昭和のはじめの日本の姿が興味深かったです。
現在はじっくり物事を考えたり、見つめたりという時間を持たなくなったような気にさせられました。




銀の匙

中勘助 著



内容(「BOOK」データベースより)

なかなか開かなかった古い茶箪笥の抽匣から見つけた銀の匙。伯母さんの限りない愛情に包まれて過ごした少年時代の思い出を、中勘助(一八八五‐一九六五)が自伝風に綴ったこの作品には、子ども自身の感情世界が素直に描きだされている。



感想

夏目漱石が高く評価した作品で、子供の世界の描写として未曾有のもので、描写がきれいで細かいこと、文章の響きが良いことなどを指摘してます。
本当の日本の姿を見る思いで読みました。おすすめです。




李陵・山月記

中嶋敦 著



内容(「BOOK」データベースより)

中島敦は、幼時よりの漢学の教養と広範な読書から得た独自な近代的憂愁を加味して、知識人の宿命、孤独を唱えた作家で、三十四歳で歿した。彼の不幸な作家生活は太平洋戦争のさなかに重なり、疑惑と恐怖に陥った自我は、古伝説や歴史に人間関係の諸相を物語化しつつ、異常な緊張感をもって芸術の高貴性を現出させた。本書は中国の古典に取材した表題作ほか『名人伝』『弟子』を収録。



感想

古典や漢文の時間が苦手だった私にも面白く読めました。
中国古典に材をとり、人間の存在とは何か、を鮮烈に問いかける中嶋敦の代表作とあります。




沈黙

遠藤周作 著



内容(「BOOK」データベースより)

キリシタン迫害史を背景とする緊迫のドラマの中に、神の存在を問い、信仰の根源を衝いて、西洋と日本の思想的対立を鋭くえぐり出す長編小説。谷崎潤一郎賞、ピエトロザク賞受賞。



感想

これは皆さんご存知の作品。読んでいてつらかった。
でも遠藤さんのこういった作品、「海と毒薬」などもすばらしいですね。





沈まぬ太陽

山崎豊子 著



内容(「BOOK」データベースより)

広大なアフリカのサバンナで、巨象に狙いをさだめ、猟銃を構える一人の男がいた。恩地元、日本を代表する企業・国民航空社員。エリートとして将来を嘱望されながら、中近東からアフリカへと、内規を無視した「流刑」に耐える日々は十年に及ぼうとしていた。人命をあずかる企業の非情、その不条理に不屈の闘いを挑んだ男の運命―。人間の真実を問う壮大なドラマが、いま幕を開ける。



感想

これも山崎豊子の力作、航空業界と財界、政界,官僚のどろどろした中で翻弄される主人公。
今の外務省や政界の様子を見てるようで、面白くてたまらない。
面白いけど、これが今の日本の現実じゃないかと思うと、うすら寒い気がします。
他にもこの作者は大作を沢山出してますが、すごいというしかない。







大地の子

山崎豊子 著



内容(「BOOK」データベースより)
陸一心は敗戦直後に祖父と母を喪い、娘とは生き別れになった日本人戦争孤児である。日本人であるがゆえに、彼は文化大革命のリンチを受け、内蒙古の労働改造所に送られて、スパイの罪状で十五年の刑を宣告された。使役の日々の中で一心が思い起こすのは、養父・陸徳志の温情と、重病の自分を助けた看護婦・江月梅のことだった。



感想

NHKでもドラマ化され知らない人はないでしょう。
普通原作とのあまりの違いにがっかりすることが多いのに、良く出来てたなあという印象を持ちました。
それにしてもこの作者の取材力とエネルギーにはもう感心するしかないですね。
主人公の中国での生き様はあまりにもつらく、読んでいてこれほど心が入った作品は無いです。



銃口・海嶺・ちいろば先生物語・天北原野・それでも明日は来る

三浦綾子 著


銃口

内容(「BOOK」データベースより)
「どうしたらよいか迷った時は、自分の損になる方を選ぶといい」小学校の担任坂部の信念と優しさに強い影響を受けた北森竜太は、タコ部屋の朝鮮人労働者を匿う温かい家庭で成長し、昭和12年に教師になった。炭鉱町の小学校で「綴り方」の授業を推進するなど教育の理想を目指す竜太のもとに、言論統制の暗い影が忍びよる―。戦争に突入する昭和10年代の事件と世相を背景に、青年教師の愛と苦悩を描いた感動大作。




海嶺

内容(「BOOK」データベースより)
知多半島にある小野浦から、千石船宝順丸が出航したのは天保三年(1982年)のことであった。乗組員は船頭、重右衛門、舵取岩松、そして炊の久吉、音吉ら十四名である。だが彼らは江戸にむかう途中、遠州灘ではげしい嵐にあい難破してしまう。一年二か月後、奇蹟的に生き残った豪胆な岩松、明朗活発な久吉、優しい心の音吉の三人は北アメリカに漂着する。が、彼らには想像を越えた数奇な運命が待っていた!生きていくことは何かを問う、魂を揺さぶる時代巨編。




ちいろぼ先生物語

内容(「BOOK」データベースより)
みずからをイエスの乗り物、小さいろばに擬し、生涯を伝道にささげた榎本保郎牧師の壮絶な生と死。




天北原野




それでも明日は来る

内容(「BOOK」データベースより)
明日をも知れぬ結核療養生活、恋人の死、癌の発病、敬愛する友人や肉親の死。次々と訪れる悲劇の中で、私が絶望しないで生きて来ることができたのは、「それでも明日は来る」という希望があったからだ―。巨大な苦難に出遭ったとき、人はどう生きるべきなのか?神が与えたもうた明日をひたすらに信じ、北国の日々を送る著者が、すべての悩める人に贈る愛と信仰のエッセイ集。





感想

まだ三浦先生が活躍していらした頃、旭川に住んでいたので一度デパートの中をご主人に手をとられゆっくり歩いていらっしゃるお姿を拝見した事がある。
その頃でももうお一人で十分書く事はおつらく、口述筆記してもらっておられたと聞いていた。
ご病気にもかかかわらず大作を出されていくそのエネルギーにはただただ感服するしかない。
信仰の厚さは随所に窺がえ、それは本当に純粋な無垢な心からのもので、信仰を持つ人の強さでもあるのだろうか。

宮本武蔵(1〜8)

吉川英治 著



内容(「BOOK」データベースより)

野に伏す獣の野性をもって孤剣を磨いた武蔵が、剣の精進、魂の求道を通して、鏡のように澄明な境地へと悟達してゆく道程を描く、畢生の代表作。―若い功名心に燃えて関ケ原の合戦にのぞんだ武蔵と又八は、敗軍の兵として落ちのびる途中、お甲・朱実母子の世話になる。それから1年、又八の母お杉と許嫁のお通が、二人の安否を気づかっている郷里の作州宮本村へ、武蔵は一人で帰ってきた。



感想

長くても苦にならない作品というのは、作者の力量がとにかくすごいとしか言えない。
こういう作家がだんだんいなくなってきている。
宮本武蔵の人間性は人生の師となるべきものなのか。




合衆国崩壊

トム・クランシー 著



内容(「BOOK」データベースより)

日本ジャンボ機によるカミカゼ攻撃で崩壊した国会議事堂とともに、合衆国政府首脳は全滅した。呆然としながらも、二度目の建国という途方もない重責を果たす決心をしたライアン新大統領。一方イラン最高指導者ダリアイは、大統領が暗殺されて無政府状態となったイラクに侵攻し、イスラム連合共和国を作り上げた。最大の危機に見舞われた祖国を救うために、ライアンは孤軍奮闘する。



感想

日本の旅客機が合衆国の議事堂に突っ込むという場面から始まる世界が舞台の面白作品。
例によってアメリカの強さと正義ぶりが前面の内容。
これを読んだときは大分前で映画なら面白いと思ってたら、実際に2台の飛行機に突っ込まれビルが崩壊していく様子をテレビで見てビックリ!
この本を読んでた方はエー!と思ったはず。




雪の狼(上・下)

グレン・ミード 著



内容(「BOOK」データベースより)

40数年の歳月を経て今なお機密扱いされる合衆国の極秘作戦「スノウ・ウルフ」とは?冷戦のさなかの1953年、酷寒のソヴィエトにおいて、孤高の暗殺者スランスキー、薄幸の美女アンナ、CIA局員マッシーたちが、命を賭けて達成しようとしたものは何か。



感想

これも、読み出したら止まらない面白さ。
第2次大戦中のソ連とアメリカを舞台にハラハラドキドキの展開、思いもかけない主人公2人の運命と劇的な出会い。
何度読んでも面白いので、この作者の「熱砂の絆」を読みましたが、「雪の・・」に比べると今ひとつ・・・。




検屍官

パトリシア・コーンウェル 著



内容(「BOOK」データベースより)

襲われた女性たちは皆、残虐な姿で辱められ、締め殺されていた。バージニアの州都リッチモンドに荒れ狂った連続殺人に、全市が震え上がっていた。犯人検挙どころか、警察は振回されっ放しなのだ。最新の技術を駆使して捜査に加わっている美人検屍官ケイにも魔の手が―。MWA処女作大賞受賞の傑作長編。



感想

主人公のドクター・スカペッターとコーンウエルを重ねて読んでしまいますね。
仲良し?のマリーノ警部ももう頭の中でしっかりと映像化されてて、姪のルーシーと共に私たちには実在の人物のよう。
この作者の他の作品で「スズメバチの巣」や「ハマー署長」シリーズが出てますがどれも検視官シリーズに比べたらがっかりもの。




カウントダウン・ヒロシマ

スティーブン・ウォーカー 著



内容(「BOOK」データベースより)

1945年8月6日午前8時15分、B29爆撃機“エノラ・ゲイ”の爆撃手フィアビーは広島上空で原子爆弾“リトル・ボーイ”を投下。熱線と衝撃波によって町は焦土と化し、一瞬にして八万ともいわれる命が失われた。が、一方でこの地獄絵図を生き伸びた人々もいた。ある者は恋人の安否を尋ねて瓦礫の町をさまよい、ある者は医師としての使命に駆られ懸命の救助活動を続けていた…。ニューメキシコでの原爆実験から広島の原爆投下まで、刻一刻と近づく“運命のゼロ時間”。元BBCのドキュメンタリー監督が、爆撃機の搭乗員、ロスアラモスの科学者たち、広島の被爆者など日米双方の関係者へのインタビューと、膨大な資料をもとに、歴史を変えた決定的瞬間の裏側に隠された人間ドラマを迫真のディテールで再現するノンフィクションの力業。



感想

ニューメキシコ州で核実験を成功させその原子爆弾をテニアン島に移し、日本にB29で運んで広島に落とすまでを時間通りに克明に追っていく。
それはノンフイクションなのだけれど、実際かかわりあった人達の取材などを沢山いれてあるのでまるで映画を見ているような気分にさせられる。
戦争を早く終わらせるためにと言う名目の下に、あってはならない行為だと思うが、それはアメリカにとっては正しい行為とされている。
本音はもっと違う所にもあると聞く。
筆者はそれにはふれていないのが寂しい。




太公望(上・中・下)

宮城谷昌光 著



内容(「BOOK」データベースより)

羌という遊牧の民の幼い集団が殺戮をのがれて生きのびた。年かさの少年は炎の中で、父と一族の復讐をちかう。商王を殺す―。それはこの時代、だれひとり思念にさえうかばぬ企てであった。少年の名は「望」、のちに商王朝を廃滅にみちびいた男である。中国古代にあって不滅の光芒をはなつこの人物を描きだす歴史叙事詩の傑作。



感想

長い歴史と広大な土地の中国、スケールの大きな作品です。
それも紀元前の物語、中国四千年というけど実に長い歴史を持ったすごい国なのですね。今、長い病床にある友人の薦めで読み始めました。
結末が今ひとつふ~んと言う感じで終わりましたが、国が栄えるのも滅びるのも上に立つ者の叡知と度量にかかっている、何千年とその繰り返しで現在に至っているが、人間はまだ学習出来ていない。




信長の棺

加藤廣 著



内容(「BOOK」データベースより)

本能寺の変後、信長はどこへ消えたか―。光秀謀反にちらつく秀吉の陰謀。阿弥陀寺の僧侶が握る秘密の鍵。そして、主人公・太田牛一が最後につかんだ驚愕の事実とは。日本史最大の謎に挑んだ本格歴史ミステリー。



感想

戦国時代、特に信長、秀吉、家康を主人公にした小説は数え切れないほどある。
一時期、司馬遼太郎・山岡宗八・吉川英治・堺屋太一・津本陽 等の作家の小説を沢山読んだものです。
そこで必ずもし、もし信長が死ななかったら・・・?日本はどうなっていたか、などと考えたものです。
この本は信長は本当に本能寺で亡くなったのか、そうすれば遺骸は、遺骨はどこに?というテーマで違った視点から書かれていて実に面白い。




黄泉の犬

藤原新也 著



内容(「BOOK」データベースより)

藤原新也インド旅伝説に新たに衝撃の一章が加わる!青春の旅を記録した処女作『印度放浪』から34年―その長きにわたって著者が封印してきた衝撃の体験がついに明かされる!『メメント・モリ』の感動を再び甦らせる。藤原新也、インド紀行完結篇。



感想

オウム事件の意味を問う・・・麻原が何故サリン事件まで起こす教団にしたのか・・・その生い立ち、環境、縁者に接し作者が感じた事は。
作者がインド放浪の中で見たものとの対峙・・・人の命とは・・・そして「オウム的なもの」に傾斜していく若者の心のありようとは・・・。
難しいが、読後何かわかったような気がしてしまった。
以前実際にオウムに入りかけ、修行をし、結局教団には残らず自分で答えを出すという事が大切と理解した方の本を読んだ事がある。どうしても作家名・題名が見当たらないのが残念だ。
高学歴で「人間とは?命とは?」などと真剣に考え、眠れなくなるような、本当は純粋な若者が答えを探して教団に入り、教えを乞い、洗脳されてしまったわけだが、名前のわからないその作家が「人に答えを出して貰うのではなく、苦しくても自分で考え見つけていく事が大切」とわかったのだと書いていたと記憶している。
そして「誰も神にはなれない、答えも出せない」と。



ダ・ヴィンチ・コード(上・下)

ダン・ブラウン 著



内容(「BOOK」データベースより)

ルーヴル美術館館長ソニエールが館内で死体となって発見された。殺害当夜、館長と会う約束をしていたハーヴァード大教授ラングドンは、フランス警察より捜査協力を求められる。ソニエールの死体は、グランド・ギャラリーでダ・ヴィンチの最も有名な素描『ウィトルウィウス的人体図』を模した形で横たわっており、さらに、死体の周りには、複雑怪奇なダイイングメッセージが残されていた。館長の孫娘でもあり、現場に駆けつけてきた暗号解読官ソフィーは、一目で祖父が自分だけに分かる暗号を残していることに気付く…。『モナ・リザ』『岩窟の聖母』『ウィトルウィウス的人体図』―。数々のダ・ヴィンチ絵画の謎が導く、歴史の真実とは。



感想

全世界で読まれていて、2006年トム・ハンクス主演で映画になった作品。
本のカバーに「キリスト教の根幹を揺るがし、ヨーロッパの歴史を塗り替えた巨大な謎の本流ーー世紀の大問題作!」とあります。
これはキリスト教やその時代からの主にヨーロッパの歴史などについて知らないと本当に理解は難しいかも。
日本人が漠然と思うキリスト教ではなく、各時代に権力を持った者に翻弄され、利用され、真実の姿とは遠い形で現在我々は見ているのかもしれない。
宗教はいつの時代も完全に祈りと心の平和を求めるものの為だけにあったのではないということ、それは日本の古い仏教でも然り・・・中東でも然り・・・。
このような人間を神は何と見ていらっしゃるのか。